【風俗営業許可】オーナーが変わると新しい許可証が届くまで営業できない?

個人で風俗営業許可を取得されれている方から、よくこのようなお問い合わせをいただきます。
個人で許可を取得されている場合、お店の名称とは別に個人本人の名前で許可証が交付されます。
原則から言うと、本来ならばオーナーが変わった時点で風俗営業の廃業という扱いになり許可証の返納をし、新規の許可証が届くまで営業できなくなってしまいます。
今回は、そのような事態にならないためにはどうすればいいのか?ということをお話していきたいと思います。
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個人の場合、新規の許可取り直しは必要
お店の家賃やキャストのお給料を払い続けるのが難しくなり、ママさんや店長さんにお店をそのまま譲り新たに経営者になってもらう、ということはよくあります。
お店の場所も名称もママさんもキャストも店長さんもそのまま代わらず、オーナーさんのみが代わる場合です。
この場合、風俗営業許可を新規に取り直さなければなりません。
許可証の名義変更という制度は存在せず、したがって新規に許可証を取り直すしか営業を続ける方法はありません。
お店の所在地が変わる場合も同様です。
お店の名称は変更できる
心機一転とお店の名称を変えて新たにオープンする場合は、変更届と許可証の書換え申請をすれば新たに許可証を取り直さなくてもそのまま営業できます。
無許可営業や名義貸しの可能性も・・・
お店のオーナーが存在しないことになると風俗営業の廃止という扱いになり、遅滞なく許可証返納の義務も生じます。
新オーナーが許可証を取得せず、そのまま許可証を使い続けていると許可証の名義人と経営者が一致せず、無許可営業や名義貸しになってしまう可能性もあるので必ず旧い許可証は返納し、新規で許可証を取得するようにしてください。
そのまま営業を続けて新規で許可証を取得するには?
お店の家賃もキャストのお給料も払わないといけないのでお店を閉めて、新たに許可証を取得する暇もお金もありません。
ではどうすればいいのか?次から詳しく説明していきます。
①まずは警察に状況の報告
まずはこういう状況である、ということを新たにオーナーになろうとしている人が警察に相談に行くことが大事です。
ここが一番重要な部分ですが、実は現在の許可証を残したまま同じ場所、同じ名前のお店で新規許可を申請できます。
しかしこれは、警察に状況を報告していることが大事で、いきなり同じ場所、同じお店で許可を申請しても警察からすると、「ん?どういうこと?おたくのお店許可取ってるよね?」となってしまい余計な詮索をされてしまいます。
事前に状況を報告することでその後の申請もスムーズになります。
そして、旧オーナーと新オーナーの代わるタイミングも大事になってきますが、それは後ほど説明します。
②飲食店営業許可の名義変更
警察に状況を報告したら、次は飲食店営業許可の名義変更です。
令和5年12月より、事業譲渡による地位承継の届出ができるようになりました。
それ以前は風俗営業許可と同様に新規で許可を取り直さなければいけませんでしたが、この事業譲渡による地位承継の届出により、名義変更ができます。
新規で取り直す場合は16,000円の手数料がかかりましたが、名義変更は無料でできます。
ただ新規許可と同じように、店舗の検査などはあります。
そして名義変更が完了すれば、次は風俗営業の新規許可申請です。
③新規風俗営業許可申請
特に変わったことはなく、普通に新規許可を申請します。申請書類も図面も添付書類も一緒です。
構造検査もきっちりと受けなければなりません。
法律上は新規ですが、行政上の取り扱いは「継続」という分類になります。
風俗営業許可申請の詳しい流れは↓をご覧ください。
新許可証の取得と旧許可証の返納
旧許可証の返納のタイミングは、新許可証と引き換えに返納します。
そもそも新許可証が交付されるまでオーナーの交代はできず、交付前に交代すれば無許可営業、または名義貸しになってしまうおそれがあるので、警察も旧許可証を受けっ取ってくれません。
行政書士が代理でする場合
行政書士が代理で新許可証の受取と、旧許可証の返納を代理で行う場合は、新規申請は新オーナーから委任状をもらい、旧許可証の返納は旧オーナーから委任状をもらってください。
このタイミングでお店のオーナーが旧から新に代わったことになります。
まとめ
今回は、お店のオーナーさんが交代する場合に、引き続き営業しながら飲食店営業許可の名義変更、そして風俗営業の新規許可、加えて許可証の返納のタイミングを詳しく説明してきました。
警察も許可証の返納と新規許可申請でお店がストップしてしまうのはまずいということを分かっているのでこのような取り扱いになったのだと思います。
これが法人で許可を受けていると、代表取締役などの役員が変更になっても法人自体が変わらない限り、許可証は有効のままです。
店舗を複数経営するなら、法人で許可を受けた方が後々面倒くさくなることが少ないと思います。
弊所では飲食店営業許可の名義変更、風俗営業新規許可申請、許可証の返納届の3点セットパックをご依頼された場合に旧許可証の返納届(税込38,500円)を無料で承ります。
お店の経営についてお困りのことがあれば、お気軽に弊所までご相談ください。
ここまで見てくださりありがとうございました!
プロフィール

- 行政書士
- 平成23年度行政書士試験合格。10代の頃から建設業界で職人として働き、試験合格後も一人親方として現場で10年働き続け、令和4年5月に行政書士登録、 独立開業。初めて受任した業務が風俗営業1号許可申請。その後も風俗営業許可申請業務を多く経験し、現在は専門業務として活躍中。地元は灘のけんか祭りで有名な白浜地区。宇佐崎村で毎年祭りに参加。
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